車いすを使用する方への運動導入講習会 ご案内

ドイツでは、障害のある方が地域で「運動をしたい」と思ったときに非常に多くの選択肢があります。特に車いすスポーツ分野では、参加者の障害程度が比較的重度であるにも関わらず、最も多くの選択肢を提供しており、障害者スポーツ先進国と言われるドイツにおいて、最も障害者の運動導入に成功しています。今回、講師として迎えるHorst Strohkendl(ホルスト・ストローケンデル)博士は40年間、車いすを使用する障害児・者の運動導入のシステムづくりをしてきた第一人者です。


1.概要
日時: 平成26126日(日) 詳しいスケジュールは下記をご覧ください。
場所: 茨城県立医療大学体育館 (講義は実習棟にて行います)
参加費:一般・2000円 学生・1000

2.スケジュール
9時15分                           受付
9時30分~12時00分        講師紹介 オリエンテーション
            実技① 車いすの基本操作技術の習得
                                        (方法論的指導法の作り方の実例として)      
                                   ミニゲーム①(能力の異なる参加者が主体的に参加できるゲーム                                   の体験)      
                                   ミニゲーム②(ボールを使うミニゲーム)
12時00分~13時00分   昼食休憩
13時00分~14時30分     実技② 体験会における実際の指導デモ
14時40分~15時10分   体験会の振り返り・質疑応答
15時25分~17時25分     講義
17時30分                       閉講式・解散

3.内容
午前中の実技研修は3部で構成されています。
実技①車いす基本操作技術の習得
初心者に対する導入指導時には、必要な技術の習得を、失敗体験をしないように、できる限りスモールステップに細分化して指導を行うことが重要です。第一部では、成功体験を導く指導方法の実践として、方法論的な指導法による車いすの操作技術習得を体験します。車いす操作に不慣れな方は実技習得を行い、また車いす操作を既に習得されている方は、正しい操作技術や、それらの指導論を学びます。

ミニゲーム①
鬼ごっこ、縄跳びなど、能力に差異のある集団でも実施が可能なゲームを体験します。ゲームをアレンジすることで、重度障害者や初心者のように車いすの移動速度が遅い人でも、集団の中で役割を持って参加することができます。第二部ではこういったゲームを体験していきます。

ミニゲーム②
先ほどのゲームの発展形としてボールを使用したゲームを実施、体験します。

午後は地域在住の障がい児・者の方を対象とした体験会を見学し、プログラムの実践について学びます。
また、そのあとの講義では、なぜ、導入指導において、こういった繊細なアプローチが必要となるのかを、導入時の初心者の心理状態等も含めて解説します。また、ドイツにおける取組みや、その他の指導の実践例についても触れていただきます。


講師ご経歴

Dr.Horst Strohkendl  
ホルスト・ストローケンデル博士(71歳)
前職:ケルン大学障害者福祉学准教授
現:ドイツ車いすスポーツ協会指導員育成責任者  ドイツ車いすラグビー協会副会長





1971 ドイツ障害者スポーツ協会より「麻痺者スポーツ委員会」へ招へいを受ける
    男女車いすバスケットボールナショナルチームコーチに就任
1976-1978
 国際車いすバスケットボール協会理事会に参加
1977-1980
 ドイツ車いすスポーツ協会車いすバスケットボール部門最高責任者に就任
1980-1990
 障害児スポーツ部門の最高責任者に就任
1984-1997
 ISMWSF(国際ストークマンデビル車いすスポーツ連盟)理事に就任
1984-
現在 ドイツ車いすスポーツ協会指導委員育成責任者に就任
1997-
現在 ドイツ車いすスポーツ協会車いすラグビー部門理事に就任
2002-
現在 車いすラグビー連盟リハビリ・育成最高責任者に就任

ドイツ体育大学でスポーツ科学を専攻。卒業後ケルン大学に職を得て、特別支援学校教員の養成に携わる。1982年に執筆した博士論文が現行の車いすバスケットボールのクラス分けの基礎となり、広く障害者スポーツ全般でその理念が活用される。
1980年より、二分脊椎症の児童を対象とした運動導入キャンプを実施。スポーツ未経験者が地域で自主的に活動できるクラブの立ち上げを行う。こういった取組みの結果として、現在ドイツには、車いすを使用する障がい児が週に1回スポーツを行うことができる自主クラブが100以上存在する。また、このような自主クラブを運営するために必要な指導員の養成プログラムを開発し、指導員の育成・研修(特に、初心者への導入指導ができる人材の育成)に尽力する。
大学を退職した後も、ブラジル、日本、トルコ、アフリカなどで広く講演を行っている。

日本国内での講演実績(ここ2年のもの)
国立障害者リハビリテーションセンター、WHOアジアセミナー、太陽の家、長居障害者スポーツセンター、西九州大学、びわこ成蹊スポーツ大学等


また,この講習会で講師兼通訳をいただくのは橋本大佑先生です.

講師・通訳ご経歴

橋本 大佑(一般社団法人ふうせん遊び協会 事務局長)
筑波大学で障害児教育を学び、障害者スポーツ先進国のドイツに遊学。ストローケンデル氏の下で、車いすスポーツ指導論を学び、ドイツ障害者スポーツ協会公認リハビリテーションスポーツ指導員資格を取得。2009年に日本に帰国した後、ふうせんバレーボール競技の普及を実施するとともに、本講師の日本への招聘事業を実施し、コーディネーター、専門通訳兼補助講師として各地で講演を行う。2013年4月、国立障害者リハビリテーションセンター非常勤職を退職し、ふうせん遊び協会を設立。障害児・者の余暇活動プログラムを活用した社会参加促進に取り組む(http://www.youtube.com/watch?v=OummZIljsH4)。


4.申し込み方法
以下のアドレス宛てに①お名前、②所属、③年齢、④障害の有無、⑤連絡先(電話・メールアドレス)⑥懇親会参加希望の有無、をお知らせください。先着20名様とさせていただきます。

申込み先:茨城シッティングスポーツ研究会 橘 香織 ibarakise@gmail.com